職員の定着率に悩む人・福祉の職場必見。最強チームのつくり方

オススメ書籍等

「海軍で1番下のダメ艦隊」
とレッテルを貼られていた艦に、
新任の艦長がやってきた。

その艦長は、
以前と同じスタッフ構成のままでありながら、
短期間で「全米ナンバー1」と評価されるほど
優秀な艦に立て直した。その間わずか2年。

そんな実例が書かれている本があるのです。

それが、
「アメリカ海軍に学ぶ 最強チームのつくり方」

新任の艦長であり、この本の著者であるのは、マイケル・アブラショフさん。

アブラショフさんは、この艦を全米ナンバー1にしたばかりではなく、
海軍という過酷な環境等が理由で、
定着率28%(4人に3人が辞めしまう)状況を、
わずか2年で定着率100%に改善しているのです。

いったい彼が何をしたのか?

この方法、ぜひとも知りたくないですか?

今回はその概要を、「定着率アップ」に焦点を当てて
書いてみたいと思います。

スタッフの心や人生を理解する

組織の指揮をとるにあたり、私が立てた方針は実にシンプルだった。

それは、「部下の身になって、何が1番大事かを考えてみる」 ということだ。

(本文より)

やはり出発点はこれなのです。

その人の身になって、
「なんで辞めてしまうのだろう?」
「何が不満なんだろう?」
と、考えてみるのです。

そして、アブラショフさんは、
「考えてみる」だけではなく、
様々な調査をしたり、
実際に聞いてまわったりしています。

艦内を何度も何度も歩き回って聞いていったのです。
(その他の様々な情報や意見も歩き回って仕入れていきました)

すると驚くべきことに、
艦を離れる(辞める)理由の第1位は、

「上司から大切に扱われていないこと」
「上司から大切に扱われていないと感じたこと」だったのです。
(ちなみに、給料は理由の第5位だったそうです。)

またアブラショフさんは、部下310人の顔と名前を全て覚え、
定期的に面談を繰り返します。

その1人ひとりが、今までどんな人生を送ってきて、
これからどんな人生を望んでいるのかを知っていきました。

そして「私は彼らの最強の応援団になろうと思った。
と、書いています。

スタッフ1人ひとりに敬意を払う

上司がつねに部下に送り続けなければならない唯一の信号は、

1人ひとりの存在と力(ちから)が、自分にとっていかに大事かということである。

実のところ、それ以上に大切なことなど存在しない

(本文より)

アブラショフさんは、
「1人の人間(艦長)が、全てを掌握することはできない」
と、書いています。

巷の上司の中には、
「この組織は、私がいなければ動かない」
と、思っている人が多いのではないでしょうか?

しかし、実際の多くは、上司1人いなくなったって
なんてことはなく回るものです(笑)

本当に必要なのは、
チームメンバー全員の力なのです。
上司として、
「自分1人の力には限界があり、
メンバー全員に敬意をもって、
1人ひとりの存在と力が必要なのだ」

と、常に認識し、
メンバー全員に、それが伝わるように、
言動等で発信し続けることが
何よりも大切なのでしょうね。

それさえしっかりできていれば、
部下を怒鳴り散らすことや、無視するなんてことは、
まずあり得ないのだと思います。

職場・仕事がどうしたら楽しくなるのか考える

この「楽しくなる」の中には、
「やりがいを感じて楽しい」の他に、
実際に、ゲラゲラ笑ったり、その雰囲気が楽しかったりする事の
その両方を意味します。

アブラショフさんは、任務の過程において、
目標を明確にして、
そのやり方には権限を与え、
自分で考えさせ、
実行までさせます。

海軍という縦社会の中では、「命令」と「服従」が絶対ですが、
それらだけの組織から脱却することで、
メンバーは、自ら考え、提案し、仕事が楽しくなっていくのでしょう。
(自発性が生まれたのでしょう)

また海軍は、仕事の多くを海の上で過ごすという性格上、
長期に渡って「娯楽」というものに触れられない環境です。

そのような環境でも、少しでもその場を楽しめるように、
映画上映会やパーティーを企画したり、
提供される食事を改善したり、
衛星放送で、娯楽番組やドラマ等を観られるようにしたり、
辛い仕事でも音楽を流して楽しく乗り切れるようにしたりと、
これらについても1人ひとりの意見を吸い上げ、
できることを実行していきました。

仕事のやりがいはあるし、
職場も楽しい(もちろん、辛いこともあるけど)
この両方の視点が定着率アップには大切なのでしょうね。

最後に

この本を読んでいて、私が思ったのが、
人間関係の「原則」というものは同じなんだな~
ということです。

原則とは、
・相手の立場になって考えてみる
・相手に興味・関心をもつ
・相手の話をしっかり聞く
・相手に敬意を払う・しっかりほめる

これらは、私が人間関係の大原則を学んだ本
D・カーネギーの「人を動かす」にも全て書かれています。

あとは、その原則を実行できるかどうかだけなのです。
(それが本当に本当に難しいんですよね。)

この本では、それらの原則を下に、
「1人ひとりの能力を最高に高め、
その能力を発揮できる環境をつくること」
が、
上司の役割であり、定着率をも上げる方法だと言っているように感じました。

(誤解があるといけないので追記すると、
アブラショフさんは、何が何でも海軍に定着させることを目的としていません。
あくまで、その人、1人ひとりが望む人生を応援しています)

ちなみに、原則を学ぶなら
「人を動かす」より「アメリカ海軍に学ぶ最強チームのつくり方」の方が、
全然読みやすいと思いますよ。
ぜひお手に取って全文読んでみてくださいね。
(リーダー論に特化した続編もありますよ)
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