福祉人にとって1番大切だけど1番難しい?自己覚知を徹底解説①

チームづくり

 福祉の仕事のみならず、人間関係やチームづくりにおいて、
「何が1番大切ですか?」 って尋ねられたら、
私は迷わず「自己覚知」って答えます。

新人職員研修でも、中堅職員研修でも、管理職研修でも、
私が実施させてもらう時は必ず、「自己覚知」を取り上げます。

それぐらい重要なことなのですが、とっても難しいのも「自己覚知」

その「自己覚知」を全4回で徹底解説します。
少しでも「自己覚知」を極め、利用者さんやチームメイトと
今ま以上の良好な人間関係を築きませんか?

それでは行きますよ。
自己覚知が大切って、よく言われるけど、
「なぜ?」って聞かれると、あやふやな事が多いものです。
まず第1回として「なぜ自己覚知が大切なのか?」を整理します。

 世の中のことは「自分」「他者」「環境」の相互作用で起きている

 世の中で起こっていることを突き詰めれば、
ほぼ全てにおいて、自分、他者、環境が絡み合っているのです。

自分が起こした行動に、周囲の人が反応したり、
他人が起こした行動に、自分が反応したり、
環境の変化や障壁に、自分や周囲の人が反応したりの
繰り返しなのです。

ということは、つまり、まず自分が、
何をどう思い、どう感じ、どう反応するのか、
自分自身をしっかり理解することは欠かせません。
まずは自分が出発点なのです。

 人は自分の価値観・立場の都合等を他者に押し付けやすい

人は誰もが、自分の価値観が絶対的に正しくて、正義である
と思っている傾向があります。

私自身も、このようなブログを書いていますから、
「自己覚知は大切」という価値観を持っていますし、
これが何より正しいと思っています。
そして、それを、こんな風にブログに書いてまで
周囲に押し付けているのです。(笑)

人と関わる上で、まず自分の価値観等をしっかり理解して、
もしかしたら、周囲の人とは違うかもしれない?
自分が絶対正しいとは限らないかもしれない?
と立ち止まって考えてみることは必要です。

特に福祉の仕事をしていると、様々な境遇の方にお会いします。
障害がある方、認知症の方、経済的に苦しい方、働けない方・・・


そのような方々1人ひとりの価値観や状況をしっかり理解するためには、
逆説的になるかもしれませんが、まず自分の価値観等を理解して、
それを押し付けてしまうことがあるかもしれないと知っていることが、
他者を理解することに繋がるのでしょうね。

言うまでもなく、人生の主人公は1人ひとりです。
それぞれの違う価値観があって良いのです。

 バイスティックの7つの原則も多くは自己覚知

福祉職ならどこかで耳にしたことがあるかもしれないのが、
ケースワークの原則と言われる「バイスティックの7つの原則」
ケースワークの時は、この原則をわすれないでくださいというものです。

1 個別化の原則 
2 受容の原則 
3 自己決定の原則
4 非審判的態度の原則
5 秘密保持の原則
6 統制された情緒的関与の原則
7 意図的な感情表出の原則

ここでは、原則の細かな解説はしませんが、
これらの原則の解釈を広義に捉えると、
なんとほぼ全ての原則が「自己覚知」に関わるのです。

原則的なケースワークをする上でも、
やはり「自己覚知」は欠かせないのです。

 福祉の仕事は自己接待も必要

「自己接待」という言葉は、あまり耳にしないかもしれません。
「接待」というのは、あの接待ですから、文字通り
自分自身を接待するという意味です。

残念ながら福祉の仕事で、ストレスを抱えてしまう人がいるのは事実です。

そんな時には、自分自身を接待してあげて、
リフレッシュできると良いですよね。

どんなことが起きたり、どんな状態になると自分にストレスが貯まり、
どのような接待をしてあげると、自分はリフレッシュできるのか?
これらを自己覚知できれば、バーンアウトは減少するのではないでしょうか。

 プロとして無防備な自分じゃダメ

私は自己覚知の最大のメリットは、
準備ができたり、対策が取れたりすることだと思っています。

例えば、利用者さんが○○をすると、私の価値観と違うので、
つい否定してしまう傾向がある とか、
○○と言われると、怒ってしまう とか、
自己覚知していることによって、事前に準備・対策が取れるのです。

もしこうなったら、こうすると、(if thenプログラム)
自己覚知して、準備しておけば、
プロとして無防備な自分をさらけ出してしまうことは減ると思います。

 まとめ そして次回の予告

  • 世の中のことは「自分」「他者」「環境」の相互作用で起きている。
  • 人は自分の価値観・立場の都合等を他者に押し付けやすい。
  • バイスティックの7つの原則も多くは自己覚知。
  • 福祉の仕事は自己接待も必要。
  • プロとして無防備な自分じゃダメ。

次回は、「なぜ自己覚知が難しいのか?」 と
自己覚知って言うけど、「何を自己覚知したら良いのか?」
ということをテーマに書きたいと思います。

1番大切だけど1番難しい自己覚知②
このブログについて詳細 → https://syafukrousi.com/standup/

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