今回も自己覚知の徹底解説を続けます。
第1回では、なぜ自己覚知が大切なのか?書きました。
→ 1番大切だけど1番難しい?自己覚知を徹底解説①
第2回では、自己覚知が難しい理由と、
どんなことを自己覚知すると効果的なのか?を書きました。
→ 1番大切だけど1番難しい?自己覚知を徹底解説②
第3回目の今回は、どのように自己覚知したら良いのか?
その方法を書いていこうと思います。
前回も書きましたが、
自己覚知の最大のポイントは、「客観視」です。
自分を客観視しづらいから、自己覚知は難しいのです。
ということは、
自分を客観視できるような方法を探せれば良いのです。
例えば健康診断。
これも自分を客観視する方法の1つです。
もちろん日頃の体調で、自分の健康の変化を知ることもできますが、
診断結果を見て、自分の気づいていなかった健康状態を知ることもありますよね。
そのような方法の中から、福祉の現場で役立つものを
具体的に1つずつ見ていきたいと思います。
その方法には、1人でできる手軽なものから、
友人や同僚、家族等、誰かと複数人でやると効果的なものがあります。
1人でできるものー① 書く・書き出し切る
自分のこと、思っていること等を紙やノートに書いてみることです。
(Wordやマインドマップアプリ等、デジタルでもOK)
例えば私は、今の自分が不安に思っていることを、
マインドマップに書き、日々更新しています。
仕事のこと、健康のこと、お金のこと、人間関係のこと、
ポイントは、誰かに見られたら恥ずかしいようなことも、
何でも書いて、出し切るようにしています。
なので、誰にも見られないようにロックをかけて保管しています。(笑)
そして書いたものを見ることで、自分の不安の全体像を
客観視しやすくなるのです。
私は前回のブログの中で書いたように、
神経症的傾向が強いですから、不安なことを書いていますが、
「怒り」を書き出すことも効果的かもしれません。
また、日記を書くことや、私のようにブログを書くことも
同じことで、とても良いと思います。
自分の中のことを書き出して見る(客観視する)
今すぐにでも始められますね。
1人でできるものー② 喜怒哀楽に注目する
喜怒哀楽は、自己覚知の宝庫です。
自分の感情が動くということは、
自分の何らかの価値観に触れたということです。
どんなこと、どんな時に感情が動いたのかを
1つずつ確認していくと、間違いなく自分の傾向が出てきます。
その中でも「怒り」はわかりやすく感じます。
私は以前、とある上司が、とある部下に向けて、
「あんなヤツは、いつ辞めてもらってもかまわない」
と言っているのを聞いて、猛烈に怒りを覚えました。
もちろん、その言葉に至るまでにも色々あったので、
この言葉が引き金となって猛烈な怒りになったのですが、
それでも、「人(部下)を大切に思わないこと」が許せなかったのです。
つまり、ここには、私の絶対に譲れない価値観があるのだと
改めて自己覚知できたのを覚えています。
1人でできるものー③ 勝手に目や耳に飛び込んでくることに注目する
カラーバス効果という言葉をご存知ですか?
「カラー」は色、「バス」は浴びるという意味で、
「赤いもの」と言われると、
今まで全く意識しなかった自分の周りにある赤いものが、
急に目に飛び込んでくるような現象のことで、
特定のことを意識し始めると、日常の中で、その特定のことの情報が、
無意識に自然と目に留まったり、耳に飛び込んできたりすることです。
ということは、裏を返すと、
「なんか最近、よく見かけるな~」
と思うことは、自分が意識していることの可能性があるのです。
最近の私は、スーパーマーケット等に買い物に行くと、
「コレステロールを下げる」とか「糖質オフ」
という言葉がとってもたくさん目に飛び込んできます。
もちろん、世の中に、そういう特定保健用食品や機能性表示食品が
増えたのもありますが、
多かれ少なかれ、カラーバス効果もあり、
きっと私がそれらを気にしているのでしょうね。
1人でできるものー④ 自分の口癖に注目する
自分の口癖も、自分を知るためにはかなり有効です。
「でもさ~」
「なんで?」
「難しいな~」
「そんなのも知らないの?」
「なんとかなるよ」
「困ったな~」
「ごめん」「すいません」
色々ありますね。
私は「とりあえず」 とか 「まあいいや」
という口癖を自覚していまして、
これは、何か結論を先送りする時に使うことが多くて、
それらの言葉を使ってしまった時は、
「これは本当に先送りして良いのか?」
と、考え直してみることにしています。
1人でできるものー⑤ 動画撮影をしてみる
スマホが普及して、とってもやりやすくなったのが
動画撮影です。
スマホのボタンを押すだけで、簡単に動画撮影ができます。
ひと昔前の、まだ録音が主流だった頃は、
私も録音した自分の声を聞いて、
「なんか自分の声じゃないみたい」
と思ったことがありました。
それと同じで、動画撮影したした自分の言動を見て、
ハッとすることがあるものです。
福祉人として、利用者への対応場面や、電話対応の場面を
撮影して、自分で見てみることは、
自分を客観視する手段としては、最も効果的だと思います。
1人でできるものー⑥ 好きなことを動詞で考えてみる
ユニバーサル・スタジオ・ジャパンの売上をV字回復させたことで知られる、
マーケッターの森岡毅さんは、自分の好きなことを「動詞」で考えてみる
と言っています。
好きなことというと、サッカー、野球、キャンプ、旅行
のように、名詞で答えるのが一般的です。
しかし、これを「動詞」で考えてみることで、
自分の強みが見えてくることがあると言っています。
例えば私の場合、サッカーや野球等のスポーツが好きなのですが、
これをもう一歩踏み込んで動詞で考えてみると、
「サッカーチームや野球チームのうまくいっているチームの理由を知るのが好き」
というのがありました。
去年まで、あんなに弱かったチームに何があって、
今年はこんなに強くなったのだろう?
とか知ったり、考えたりするのが好きなのです。
これを考えたり、知ったりすることは、
管理職という私の仕事にも少なからず役立ちます。
つまり、私の強みに、「チームづくり」 があることを知れました。
これは、好きなことを動詞にしてみて、
私は自分の強みを再認識できた一例と言えます。
複数人でできもの-① 誰かに聞いてみる
当たり前のことですが、誰かに聞いてみることで、
自分では分からない自分を知ることができます。
様々な企業が、社員には人事評価をしたり、
お客様にはアンケートをお願いするのもそのためです。
私も研修等の講師をした際は、アンケートをお願いすることが多いです。
もちろん言ってくれた内容が、すべて本当とは限らないため、
結果をどのように受け止めるかが難しいのも事実です。
自分との関係がどのような人に聞くか?
しっかり考えてみることが大切です。
(一般的に部下は上司に本当のことは言いづらいものです)
複数人でできもの-② 対話しているうちに気づく
誰かと対話しているうちに、ふと、本当の自分の気持ちに気づいた
という経験はありませんか?
誰かと話をしながら、自分の頭の中が整理されて、
結論を導き出せたという経験が私にはたくさんあります。
「ねえねえ、これどうしたらいいと思う?」
「俺はこう思うんだけど、どうかな?」
と尋ねます。すると相手が回答をくれることもありますが、
それより、どちらかというと、それらの回答に関係なく、
「そうか~」とか「でもさ~」とか言いながら
自分の答えが見えてくるのです。
これは、すでに自分の中に答えは持っているのですが、
誰かに後押ししてもらいたかっただけなのかもしれません。
複数人でできもの-③ 何も考えず行動に委ねる
行動はとても正直なことが多いです。
例えば、「こんな仕事辞めてやる!」
と、再三言っている人が、
口だけで、なかなか本当に行動に移さないのはよくある話です。
そうかと思うと、何も言わず、あっという間に退職願を
提出してしまうこともよくあります。
語弊があるかもしれませんが、
人は、「本当にそうしたい!」と思えば、
なんらかの行動をすることが多いのではないでしょうか?
まだ行動しないということは、まだ本当に心からそう思っていないと
ということなのかもしれませんね。
もちそん、虐待やDV等で、すでにそこから逃げ出すだけの
パワーが全く残っていない場合もありますので、
一概にそれだけで判断するのは危険なこともありますが。
その他 心理テスト等
最近はインターネット等で、手軽に心理テストを入手することができるようになりました。
これらを上手に使ってみるのも1つの方法です。
私もエニアグラムという心理テストは何度もやりました。
不思議なことに、
いつ、どんな時に、数年後にやっても、
基本的に結果は毎回同じような感じでした。
私の周囲の環境等は変わっても、
性格はあまり変わらないのだな~
と思いましたね。
まとめ そして次回
自己覚知する方法のまとめ
・書く・書き出す
・喜怒哀楽に注目
・カラーバス効果に注目する
・口癖に注目する
・動画撮影をしてみる
・好きを動詞で考えてみる
・誰かに聞いてみる
・誰かと対話してみる
・行動に委ねてみる
・心理テスト等をやってみる
次回は、せっかくできた自己覚知を、日々どのようにして
活かしていくのかについて徹底解説していきたいと思います。
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