前回に続き今回も、自己覚知の徹底解説を続けます。
前回は、「なぜ自己覚知が大切なのか?」について書きました。
前回の内容は → 1番大切だけど1番難しい?自己覚知を徹底解説①
をご覧ください。
今回は全4回の第2回目として、
「なぜ自己覚知が難しいのか?」 を確認した後、
「何を(どんなことを)自己覚知したら効果的なのか?」
について解説していきたいと思います。
なぜ自己覚知が難しいのか?
「自分のことをは、自分が1番良く分かっている。」
そんな言葉を聞いたことがある人も多いとは思いますが、
本当にそうなのでしょうか?
自分の背中についているゴミに気づかずに、他者に指摘されたり、
自分が咄嗟に言ってしまった言葉を、後から後悔したりという経験はありませんか?
私はとってもよくあります!(笑)
実はこれ、ある意味仕方ないのです!(開き直っていいのです!)
その理由をひと言で言えば、「自分は客観視しづらいから」です。
他の人のことは、顔、背中、頭頂部、見ようと思えば見ることができますが、
残念ながら自分は、顔、背中、頭頂部、そのままでは見ることはできません。
つまり、他の人が自分を見るより、自分が自分を見る方が、
物理的に見える部分(面積)が少ないのです。
また、内面についても、
あくまで一般論ですが、人はついつい自分に甘くなるものでして、
物事を自分に都合よく見たり、考えたりしてしまいます。
他人のことなら冷静に判断できるのに、
自分のことだとそうはいかないものなのです。
何となく矛盾するように感じますが、
「他人ごと」ではなく「自分ごと」になったことで、
自分を見失うことは、本当によくあるのです。
このように、自分で自分を見ることや分かることは、
とってもとっても難しいのですね。
では、そんな難しい自己覚知ですが、
福祉人にとって自分の何に注目することが効果的でしょうか?
私は主に4つの項目について日々確認するようにしています。
次から、それらを見ていきたいと思います。
何を自己覚知する①ー自分の特性
まず自分の特性を知っておくことは大切です。
例えば、私の場合、基本は楽天的でありながら、変なところで心配性という
特性があると思っています。
様々なことを、「まあ何とかなるだろう」と考えていますが、
1度心配になると、次々に心配になってくるのです。
新型コロナへの対応なんて、まさにそうですね。
まあ、罹ったら罹ったで仕方ないなと、基本は思っているのですが、
もし私が罹ってしまったら、職場に迷惑がかかるな。
私の仕事はともかく、同僚の仕事も進まなくなってしまうし、
その間、担当の利用者さんに何かあったらどうなる?
それに、うちの子ども達は受験生だし、濃厚接触でも受験に行けない?
そしたら一生恨まれるかな・・・
こんな風に、ループで心配になってしまうのです。
こんな時は、
「おっ また出てきたな俺の特性」って思い、
呼吸法をやったり、身近な人に話しを聞いてもらったりして、
また少しずつ楽天的な私に戻っていくのです。
でも、自分の特性って言われても、それこそよく分からない
という人に、「ビッグファイブ」という、
人間の基本的な性格特性を表すものとして、
統計的な検証がなされた指標を紹介しておきます。
人間の性格は様々ですが、
ビッグファイブ、つまり5つの要素が大きく影響を及ぼしていると
心理統計的に明らかになったものです。
(5つなのでビッグファイブです)
今回はビッグファイブの説明ではないので、
詳細な説明は省きますが、次の5つの要素が、
自分自身でどれぐらい当てはまるか5段階等で
考えてみると良いと思います。
① 協調性(協調性は高い方か?)
② 外向性(社交的な方か?)
③ 開放性(好奇心が強いか?)
④ 誠実性(コツコツ努力型か?)
⑤ 神経症的傾向(心配性か?)
ちなみに私は5段階自己評価(1が低い5が高い)で、
協調性→4 外向性→3 開放性→3 誠実性→4 神経症的傾向→5
こんな感じですかね。
これからも分かるように、実は私はかなり心配性なのです。
何を自己覚知する②ー自分の価値観
自分の価値観を自己覚知することは、
福祉人にとって必須です。
理由については、前回のブログをご覧ください
→ 1番大切だけど1番難しい?自己覚知を徹底解説①
では、自分の価値観をどのように自己覚知するのか?
それには、1つの言葉に注目してみましょう。
その言葉とは、「べき」 です。
○○するべき・・・の「べき」です。
自分が、「○○べき」 と言っていたら、
それが自分の価値観である可能性がかなり高いです。
例えば、「せめて高校ぐらい行くべき」という言葉。
これは、自分の価値観として、せめて中学卒で働くより、
高校ぐらいに行った方が良いという表れです。
それが良い・悪いではなく、
自分がそういう価値観を持っているという確認には、
この「べき」という言葉は最強なのです。
また、自分の感情に目を向けることも効果的です。
感情とは、喜怒哀楽 ですね。
自分が、何に喜びを感じ、何に怒りを感じ、
何に哀しみを感じ、何に楽しさを感じるのか?
これらに向き合うことで、多くの価値観が浮き彫りになるでしょう。
その中でも「怒り」の感情は、特にその要素が強いと私は感じています。
何を自己覚知する③ー自分の状況
今の自分の状況を再確認することも大切です。
今日の自分の体調はどうだろうか?
寝不足ではないだろうか?
心配なことはないだろうか?
これらによって、自分の言動が影響されてしまうことは、
きっと誰もが経験ありますよね。
体調が悪くて、人の話を集中して聞けなかったり、
寝不足でイライラしてしまい、同僚にあたってしまったり、
心配なことが頭から離れず、ボーッとしてしまったり・・・
はたして今の自分は冷静な判断ができる状況なのか?
これらをしっかり自己覚知して、対策を取れると、
周囲に与える悪影響を減らすことができます。
何を自己覚知する④ー自分の立場
意外と忘れがちなのが、自分の立場です。
例えば、社長と社員では、立場が違います。
立場が違えば、見える景色も違います。
文字通り、立っている場所が変われば、
見える景色は変わるのです。
社長という立場上、経営のことを考えて、
社員にどうしても厳しいことを言わなければならない時も
ありますし、
現場の社員の苦労を、社長が分からない(忘れている)
こともあるかもしれません。
今の自分の言動が、立場に基づくものなのかどうか?
時々考えてみることも有効です。
まとめ。そして次回
このブログのまとめ
・自己覚知が難しい理由
→ 自分を客観視しづらいから。
・自分の何に注目して自己覚知したら効果的か?
1 特性
2 価値観、感情
3 状況
4 立場
ちなみに、頭文字を取る語呂合わせで、
特 価値 感 状 立
「お特です。 価値 感 の 上達(状立)」と
覚えると、覚えやすくなりますよ。
価値観を知る感覚が上達して、特している自分を思い浮かべてください。
(私はこれで覚えて日々チェックしています)
次回は、今回のブログに書いた「何を自己覚知」するかを、
どうやるのかの具体的な方法を中心に書きたいと思います。
このブログを書いている管理人の詳細は
→ こちらをご覧ください
コメント